東京ミッドタウンの螺旋面2017/04/26 21:08

防衛庁の跡地にできた「東京ミッドタウン」は、再開発から10年経つそうだが、行ったのは、先々週の週末が初めてだった。隣接する国立新美術館のミュシャ展を観に行ったのである。妻がミュシャを好きなのだ。


DESIGN SIGHT@東京ミッドタウン

「DESIGN SIGHT」という建物が、すこし折り紙的だった。設計は安藤忠男氏。安藤さんは、国立競技場のコンペティションの審査や、動線のはっきりしない渋谷駅などでいろいろ言われていて、わたしも渋谷駅は行くたびにイライラしているが、これは、とてもクールである。

 

ベンチ@東京ミッドタウン

誰のデザインかわからないが、街路樹を囲むベンチも面白かった。この写真では、壊れているようにも見えなくもないが、高さが変化しているのだ。様々な座高のひとが利用可能ということかとも思ったが、低いところが低すぎるので、機能的な発想ではないのだろう。

 

孔の空いた円に切り込みをいれて、切った部分を持ち上げると、ほぼこのかたちになるが、素材に伸び縮みがないとすると、そうはならない。このベンチの理想的な幾何モデルとなる「常螺旋面(right helicoid)」は、可展面(平面から変形可能な面)ではない。切り込みをいれた孔の空いた円を、なるべく面を水平に近く保つようにして、この方法で曲面にしようとすると、途中で大きく曲率が変わる曲面になってしまう。面を伸び縮みさせずに、よりなめらかな曲面とする方法は、面を円錐状に変形させ、末端をやや重ね合わせるようにして、縁をなめらかな弦巻線にすることだ。それは、弦巻線の接線の軌跡である「類似螺旋面(helical convolute)」という曲面となる(はず)。

helical convolute


と、考えていて、ふと思った。マカロニ、というかパスタに螺旋面状のものがある。フジッリと言われるものだ。漠然と、螺旋面だと思っていたが、はたして、それはたしかだろうかと。で、気になって、スーパーで買ってきた。中心に孔(基本の弦巻線が巻きつく円柱)はないものの、面は円錐状になっていて、常螺旋面より類似螺旋面に近いのであった。(下図:左:類似螺旋面、右:常螺旋面)

らせんマカロニ(フッジリ)


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパム対策:このブログの作者は?(漢字。姓名の間に空白なし)

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://origami.asablo.jp/blog/2017/04/26/8500814/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。