折り紙で牡丹を折って見せる子の2013/05/13 22:19

『短歌があるじゃないか』(穂村弘、東直子、沢田康彦著)を読んでいて、折り紙がでてくる歌に遭遇した。作者の本下いづみさんは、絵本作家として有名なひとである。

昨日は母の日だったし、牡丹は夏の季語なので、季節感もぴったりだ。

折り紙で牡丹を折って見せる子の粘る青っ洟ママンは拭くの
本下いづみ


穂村 これはジャパニーズな感じが面白かったです。突然最後に「ママン」が出てくる。
 ジャパニーズモダン(笑)。
沢田 《折り紙》《牡丹》《青っ洟》で、色彩があります。
 気取りながら《青っ洟》を拭いているところが笑えます。子供が《折り紙》しているときみたいに集中すると、口が半開きになってよだれやら鼻水やら垂れ流しになるんで、リアルだと思いました。《折り紙》《牡丹》と上品な感じできて、《青っ洟》で落とす。
穂村 このずれがいいんだね。ふつうでは折れないようなものを《折って》るけど、《青っ洟》を垂らしている。

牡丹という花は、季節を合わせるためや、豪奢な感じをだすために虚構として選んだのかもしれないけれど、小さな子が折る牡丹の折り紙というのは、はたしてどんなものかと、考えた。折紙者にとってのリアリティーはそういうところにある。

で、結論。
これは、いわゆる折り紙というより、運動会の入場門につけるような、「紙花」ではないか。
ティッシュペーパーのような薄い手芸用の紙を数枚重ねた状態で蛇腹に折って、真ん中を輪ゴムかセロテープで留める。紙を引きはがすように広げるとできあがりという、あれだ。あれは、牡丹ぽい。

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