『三角形の恐怖』2013/02/14 12:57

一昨日書いた三角形恐怖症の話に関して、なにか記憶にひっかかるものがあったのだが、海野十三の短編小説・『三角形の恐怖』だと腑に落ちた。名前は聞き知っていたが、読んだことはない小説だった。上記リンク(青空文庫)で読める。

ある学生が、他人に恐怖症を植えつける「実験」を思いたつ。そして、<「単純で、至るところに存在するもの」であって、人間が「うっかり忘れているもの」>として、三角形を恐怖の対象に選び、その「実験」を実行する。

1927年の発表、江戸川乱歩の『心理試験』などと同時期で、テイストも似ているが、抽象的な概念にたいする強迫観念という設定は斬新だ。