折り紙作品(固定記事:最新記事はこの下)2038/01/18 18:51

自分で折った作品の写真数点を、冒頭に載せておくことにしました。

Devil&Pyramid
Devil & Pyramid
悪魔(設計:1978 正方形)、ピラミッド(設計:1993 正方形)

Peacock
peacockCP
孔雀(設計:1993 正方形)

Beetle
カブトムシ(設計:1994 正方形)

Turkey
七面鳥(設計:2005 正方形)

Sections of the Cubes
立方体の断面(設計:2000 特殊用紙形)

『誰が星の王子さまを殺したのか?』など2025/05/16 17:10

◆「掟は結局、石碑などではなく、折り鶴のように小さくもろい存在だった。」
『扉』(ジャネット・フィッチ、杉奈穂訳)(訳書2000年刊行)という小説に、上記の比喩があった。折り紙の「はかなくもろい」という心象による比喩の一典型だが、石碑と並べているのが珍しい。

『誰が星の王子さまを殺したのか?』(ミシェル・ビュッシ、平岡 敦訳)
サン=テグジュペリと、リトル・プリンスの死の謎をテーマにしたミステリ。「折り紙」が出てきた(詳細はネタバレになるので伏せる)。フランス語の原文ではなんだろう。ちなみに、フランスの折り紙のグループの名称は、他国と違ってORIGAMIを含まないMFPP(Mouvement Français des Plieurs de Papier)である。

◆折り紙教室@府中
5/18(日)13:00-15:00、府中郷土の森ふるさと体験館で、折り紙教室を担当します。府中郷土の森博物館は入場料が必要ですが、教室自体は無料です。
作品は、「小さな本」です。
小さな本

折り紙教室@府中2025/04/20 09:15


兜
4/27(日)13:00-15:00、府中郷土の森ふるさと体験館で、折り紙教室を担当します。府中郷土の森博物館は入場料が必要ですが、教室自体は無料です。
作品は、かぶることができる兜です。

『読書アンケート 2024』など2025/03/02 09:00

『読書アンケート 2024』
約150人の「本読み」が、2024年に読んで印象にのこった本をあげる、みすず書房恒例企画『読書アンケート 2024』で、音楽学者の柿沼敏江さんと作家・歌人の齋藤美衣さんが、わたしの『空想の補助線』をあげていてくれました。

『寄り道の科学 折り紙の本』(萩原一郎、奈良知惠 著)
図版(「悪魔」)を提供していたので、献本を受けました。「折紙工学」の第一人者による、折り紙の科学を一般向けに噛み砕いた本です。

なお、「折り鶴の基本形」という言葉の使いかたが一般とは異なるものだったので、これは著者に連絡しておきました。
折り鶴の基本形
折り鶴の基本形

◆野辺山宇宙電波観測所登場
すでにご存知のかたも多いと思いますが、劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』に、野辺山宇宙電波観測所が登場します。職員やスタッフもストーリーの詳細を知らないのでどきどきです。

折り紙教室@府中2025/02/17 18:26


梅の花

2/23(祝、日)13:00-15:00、府中郷土の森ふるさと体験館で、折り紙教室を担当します。府中郷土の森博物館は入場料が必要ですが、教室自体は無料です。

郷土の森では梅まつりを開催中です。

紙の鶴おりおり など2025/01/26 10:49

◆紙の鶴おりおり
大河ドラマ『べらぼう』の影響で、安永・天明・寛政期の資料などが書店に並んでいる。

『秘伝千羽鶴折形』(1797)が出版された時代でもあるので、同時代の資料は折々に読んでいたのだが、四方赤良(よものあから)こと大田南畝と、朱楽菅江(あけらかんこう)の編になる『万歳狂歌集』(1783)が文庫ででているのはすこしびっくりした(いまはなき現代教養文庫版の復刊ではあるが)。大河ドラマおそるべし。通読したことがなかったのでありがたく求めて読んだ。

『千載和歌集』のパロディを表題とする同書は、まず、収録歌の狂名(ペンネーム)が面白い。酒上不埒(さけのうえのふらち)、元木網(もとのもくあみ)等は知っていたが、ほかにも地口有武(じぐちのありたけ)とか加保茶元成(かぼちゃのもとなり)等々、じつにくだらないものが多くて、正直、歌自体よりも狂名のほうが笑えるほどである。

編者のひとり、あけらかんこうもアッケラカンの謂だが、その菅江の口上に以下のような記述があった。

たはれ歌ハちはやふる神代よりはしまるにもあらす、ひとつとや人の代よりはしまるとしもあらず、ほと/\手まりうたにひとしく、ひいふう三河まさいの口つきにかよひて、はらのかハより/\に口すさひ、かミのつるおり/\にひいたせるなり

訳:狂歌というのは、神代に始まるものでもなく、人の世になって始まったものというより、ほとんど手毬唄みたいなもので、三河万歳の口上のたぐいというか、思いついて腹の皮がよじれるように口すさび、紙の鶴を折るように折々にひねりだすものなのである。

かミのつるおりおり、と来たもんだ。
残念ながら、『万歳狂歌集』七百四十八首の中には、折形を詠んだ歌はなかったが、この時代、折鶴が普及していたことを示す記述ではある。

通読して、橘曙覧(たちばなあけみ)の独楽吟(「たのしみは」で始まる一連の歌)の先行作である下記の歌や、「根岸の里の侘び住まい」と並ぶ万能付句「それにつけても金のほしさよ」の元祖的な一首もあって、へぇーと思った。こういう話題の会話を、あらためて岡村昌夫さんとしたかったなあと。

たのしミハ春の桜に秋の月夫婦中よく三度くふめし
花道つらね (五代目市川團十郎)

世の中はいつも月夜に米のめしさてまた申しかねのほしさよ
四方赤良

ただ、お気楽な時代に見えて、天明の大飢饉、浅間山の噴火、アイヌの蜂起等、擾乱の時代でもあったはずではある。

◆折れるには…

折れるにはあまりに弱すぎる人間が存在する。私もその一人だ。

『哲学宗教日記』(L. ウィトゲンシュタイン、鬼界彰夫訳)

原語ではBrechen(英語のbreakに相当)で、Folten(foldに相当)ではないが、折るという言葉がでてくると、折紙者は、過剰に反応してしまうのであった。

合法的に独裁国家に移行する可能性
かのクルト・ゲーデルが、戦後、アメリカの市民権を得るさいの面接をうける前、「この憲法は、(論理的に検討した結果)、合法的に独裁国家に移行する可能性を持っている」と述べて、保証人のアインシュタインらを慌てさせたというエピソードを思い出す、このごろ。