非ユークリッド幾何学的キノコ等2016/01/04 22:18

◆非ユークリッド幾何的キノコ


以前このブログで、ボタンイボタケというキノコが螺旋面で、タヌキのチャブクロはみごとに球だ、という話を書いた。先日、友人の家でラッパタケ科(?)のキノコを食べ、その収穫の写真を見て、擬球(pseudo sphere:曲率が負で一定の曲面:図右)に近いキノコもあることを知った。キノコの非ユークリッド幾何学ぶりは、たいへんすばらしい。

◆NRO
丸善のPR誌『學燈』のエッセイ『科学徒然草』(小山慶太著)の導入に、冒険小説『デセプション・ポイント』(ダン・ブラウン著 越前敏弥訳)が紹介され、面白そうだったので、正月休みの読書本にした。
期待通りのハリウッド映画のような話だった。ラングドンシリーズより面白かったかもしれない。で、アメリカ国家偵察局の略称がNROで、野辺山宇宙電波観測所と同じであることを知った。

「NROの仕事をしています」
「え! NSA(国家安全保障局)とかCIAのお仲間なの...」

なお、地上の節足動物の大きさに重力によるリミットがあるという話は、それはそうなのだろうけれど、アースロプレウラ(3mのムカデ状生物)とかメガネウラ(幅75cmのトンボ)を考えると、スケール感が違うのではないだろうか。

◆混乱と弛緩
『小説のように』(アリス・マンロー著 小竹由美子訳)所収の『あまりに幸せ』は、ロシアの数学者・ソフィア・コワレフスカヤを扱った小説で、ワイエルシュトラスの言葉として、次のようなものがでてきた。
(一流の数学者は)厳密、細心であらねばならないが、また偉大なる詩人でもあらねばならないのだ。
 ついに思い切ってこうしたことをすべてソフィアに語ったとき、彼はまた、数理科学に関連して「詩人」などという言葉を使うと小馬鹿にする者たちもいるのだと言った。そしてまた、自分たちの思考の混乱や弛緩を弁護しようとしてそういう概念にすぐさま飛びつく者たちもいるのだ、とも言ったのだった。
『数学名言集』(ヴィルチェンコ編 松野武、山崎昇訳)にも、「ある程度、詩人にならずには、本当の数学者になることはできない。」というワイエルシュトラスの言葉があるが、上記は、マンローさんの創作か、引用元があるのか、後半の「自分たちの思考の混乱や弛緩を弁護しようとして...」に味がある。

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