法隆寺の白銀比など2009/05/04 23:34

法隆寺の白銀比など
 今日、法隆寺を参拝した。以前も書いたように、法隆寺の伽藍の平面構成や垂直構成(たとえば、五重塔の最上層と最下層の比。金堂の上層と下層も同様)に√2が頻出することは有名だが、ほかにもいくつか√2を見つけた。古建築の専門家には、わかりきったことなのだろうが、わたしの知る限り、あまり一般的には知られていない、以下のようなことである。

 夢殿(建物が八角形ということ自体が√2に親和的だが)の格子が菱形になっているのだが、その対角線の比が1対√2なのである(写真右上)。「武田菱」(あるいは、菱形十二面体)と同じ比率の菱形である。そして、夢殿に隣接する礼堂の格子、この長方形は1対√2の長方形だ(写真右下)。
 さらに、設計者・施工者の「幾何学趣味」を思わせたのは、夢殿の扉の乳金物(釘隠し)が、七角形になっていることだった(写真左下)。六角形の金物もあったので、意匠的に六・七・八を揃えたのかもしれない。
 なお、以前コメントを寄せてくれたsanoさんが指摘していたように、百済観音の台座は正五角形だった。
 さらに先日の作品「五×五」にもかこつけて言えば、『続 黄金分割―日本の比例』(柳亮著)にあった研究者(名前失念)の説によると、法隆寺の伽藍配置は、正方形の土地を5×5に分割し、その中央の正方形を西に拡張した1対√2の長方形に基づくとのことだったはずである。(ちなみに、いま見たら、amazonの書評子、黄金比の値が間違っていたぞ)

追伸
>sanoさん。創作市場「夢違」と、法隆寺iセンターで、折り紙見ました。