『本格折り紙』図の「ミス」72009/05/03 22:32

『本格折り紙』図の「ミス」7
22ページ「サンタクロース」、ひきよせ折りの説明図。 山折り線が抜けて(省略されて)います。
(14ページ凡例も同様)
(図が小さくてもいれておくべきでした)

83ページ「ドラゴン」46図。
矢印は前面にでていなければなりませんが、一部もぐってしまっています。

大菱形立方八面体2009/05/03 22:34

大菱形立方八面体
近所を散歩していて、多面体の屋根を発見した。
下部は「切られて」いるが、正方形12個、正六角形8個、正八角形6 個からなる多面体と見ることができる。この多面体には、名前がいくつかある。斜方切頂立方八面体、大菱形立方八面体などである。面白いのは後者だ。菱形の面などない(正方形は菱形の一種ではあるが)のに、この名なのである。
これは、十二個の正方形が、菱形十二面体の面と同じ角度の配置になっているためだ。つまり、菱形十二面体+立方体+正八面体ということなのである。
大がついていることからわかるように、小菱形立方八面体もある。これは、正方形18個(12+6)、正三角形8個である。

法隆寺の白銀比など2009/05/04 23:34

法隆寺の白銀比など
 今日、法隆寺を参拝した。以前も書いたように、法隆寺の伽藍の平面構成や垂直構成(たとえば、五重塔の最上層と最下層の比。金堂の上層と下層も同様)に√2が頻出することは有名だが、ほかにもいくつか√2を見つけた。古建築の専門家には、わかりきったことなのだろうが、わたしの知る限り、あまり一般的には知られていない、以下のようなことである。

 夢殿(建物が八角形ということ自体が√2に親和的だが)の格子が菱形になっているのだが、その対角線の比が1対√2なのである(写真右上)。「武田菱」(あるいは、菱形十二面体)と同じ比率の菱形である。そして、夢殿に隣接する礼堂の格子、この長方形は1対√2の長方形だ(写真右下)。
 さらに、設計者・施工者の「幾何学趣味」を思わせたのは、夢殿の扉の乳金物(釘隠し)が、七角形になっていることだった(写真左下)。六角形の金物もあったので、意匠的に六・七・八を揃えたのかもしれない。
 なお、以前コメントを寄せてくれたsanoさんが指摘していたように、百済観音の台座は正五角形だった。
 さらに先日の作品「五×五」にもかこつけて言えば、『続 黄金分割―日本の比例』(柳亮著)にあった研究者(名前失念)の説によると、法隆寺の伽藍配置は、正方形の土地を5×5に分割し、その中央の正方形を西に拡張した1対√2の長方形に基づくとのことだったはずである。(ちなみに、いま見たら、amazonの書評子、黄金比の値が間違っていたぞ)

追伸
>sanoさん。創作市場「夢違」と、法隆寺iセンターで、折り紙見ました。

折紙探偵団関西コンベンション2009/05/09 12:56

折紙探偵団関西コンベンション
5日6日は、折紙探偵団関西友の会主催、折紙探偵団関西コンベンション(会場:神戸女学院大学)に参加していた。写真は、講習作品から、田中将司さんの「折り紙ギャスケット」と、わたしの「立方薔薇」、うしろには、川村みゆきさんの「ハナミズキ」も写っている。
おしゃれなキャンパスで、わきあいあいとと折り紙という連休でありました。スタッフのみなさま、ごくろうさまでした。

折紙工学に関する調査研究分科会2009/05/30 11:04

 もう2週間も前になるが、前々回発表させていただいた、「RC235 計算力学援用による折紙工学の推進とその応用に関する調査研究分科会」という長い名前の集まりに参加した。

 講演者と演題は、趙希禄さん(東京工業大学 特別研究員)「反転螺旋型円筒折紙構造- 大きく伸びたエネルギー吸収量」、五島庸さん(城山工業)「トラスコアパネル実用化のための生産技術開発」、川村みゆきさん(折紙作家)「やわらかユニット」、川口健一さん(東京大学)「膜構造と折り紙」というものだった。

 どれもとても興味深かったが、趙さんのものをちょっと紹介。これは、この会のチェアマンでもある東京工業大学の萩原一郎さんが中心になって進めている研究の一環で、車のサイドメンバー(車の骨格で、進行方向に線状のもの)に、衝突時の衝撃吸収のために、きれいにつぶれる折り目をいれた柱状の構造物を使うというものである。趙さんの研究は、そこに五角形の構造を使うことで、エネルギー吸収量をあげることに成功したという内容だった。さらに多角形の辺の数をあげれば、吸収量はあがるのかもしれないが、「ピュタゴラス派」(?)としては、五角形というのが「おおっ」であった。

『天使と悪魔』とアンビグラム2009/05/30 11:06

アンビグラム
 先日、封切りしたばかりの映画『天使と悪魔』(ロン・ハワード監督)を観てきた。なんとなく巡り合わせが悪く、原作は読んでいない。ネタとして食指は動いて当然のなのだが…。

 これは、『ダ・ヴィンチ コード』より面白いというか、よくできているのではないか。じっさいそんな声も多い。CERN(欧州原子核研究機構)の加速器の描写なども、反粒子の大量トラップを除けば(それが肝なのだけれど)、もっともらしいのじゃないだろうか。原作に、図像学的な蘊蓄が満載なのも想像できた。いまさらだけれど、読んでみよう。
 反転させても読めるなどの対称性を持ったカリグラフィ(書のアート)・アンビグラムが重要な小道具になっているのも、にくい演出だった。名著『ゲーデル エッシャー バッハ』(R. ホフスタッター著  野崎昭弘、はやしはじめ、柳瀬尚紀 訳)で知られるようになったものである。まったく気がつかなかったが、主人公の図像学者・ラングドンの名もアンビグラフィスト(というのかな?)のジョン・ラングドンさんの名前からとったものだという。

 図は、『ゲーデル エッシャー バッハ』を読んだときにつくった、わたしのアンビグラム的署名。「J MAEKAWA」と読めるよね。

『日本物理学会誌』伏見先生追悼特集2009/05/30 11:15

『日本物理学会誌』
『日本物理学会誌』が、5月号で、1年前に亡くなられた伏見康治先生の追悼小特集をしていた。戸田盛和先生が、折り紙のことにすこし触れている。
手を使うと頭がよくなるというが、伏見さんはその典型であったのかもしれない。図形や折り紙に関して次つぎと新しい定理を発見し、この世界が思いがけないほど広大であることを示した。この発見は伏見さんご自身にとっても驚きであったかもしれない。