メンガーのスポンジ2008/10/14 20:17

メンガーのスポンジ
 折り紙の著作権に関する会議への参加で来日していた、フランスの折り紙作家・ニコラス・テリーさんが、穴の空いたルービックキューブ(写真左)を持っていた。(なお、山口真さん主催による同会議には、わたしも参加した。中身の濃い会議だった)
 さて。この穴空きルービックキューブは、商品名を「ボイドキューブ」というらしいが、わたしはこれを、「ルービック・メンガー・スポンジ ステップ1」(!)と呼びたい。なんとも仰々しい呼び名だけれど、次のようなことである。立方体に穴を空けることを繰り返すことで得られるフラクタル図形に、メンガーのスポンジというものがある。(メンジャーという表記もあるが、オーストリア人なので、「メンガー」がより相応しいだろう) 残った立方体の部分にどんどん小さな穴を空けていくことになるのだが、このルービックキューブのかたちは、その第1段階、すなわち「ステップ1」なのである。
 ルービックキューブには、30年前の登場以来、様々なバリエーションが生まれたが、穴を空けるという発想には意表をつかれた。ルービックキューブの兄弟の中では、本家を除けば最高傑作じゃないだろうか。
 メンガーのスポンジと言えば、一昨年の折り紙の科学・数学・教育国際会議のときには、ジニー・モズリーさんが大量の名刺でつくったオブジェも観た。写真右がそれだ。
 何年か前に一般紙でも報道された、大阪大学・宮本研究室と信州大学・武田研究室による「フォトニック・フラクタル」もメンガーのスポンジだった。実に面白い(某ドラマ風)