新刊続々2015/07/26 10:07

この1ヶ月ぐらいの間に、執筆者に面識がある書籍の刊行ラッシュになっている。

『立体折り紙アート 数理がおりなす美しさの秘密』(三谷純)
三谷さんの折り紙(作品、研究)の集大成的な本。7月20日に出版されたばかり。

『多角形百科」(細矢治夫、宮崎興二編)
読んでたのしむ事典。『立体折り紙アート』と同様、三谷純さんが「前川定理」に言及していた。

『黄金比の眠るほこら 算額探訪から広がる数学の風景』(五輪教一)
和算の問題を扱った本。参考文献に、わたしの論文の要約もあがっている。その論文はアクセプトされたばかりで、『ORIGAMI^6』(Editted by Miura, Kawasaki, Uehara, Tachi, Lang and Wang-Iverson)の一編として今年中に出版される予定である。

『端正な折り紙」(山口真)
山口さん自身の作品と、東西の名作を集めた本。コストパフォーマンスが高い。

『すごいぞ折り紙2』(阿部恒)
4月に亡くなられた阿部さんの遺著。折り紙本の題名のインパクトでは『すごいぞ折り紙』が1位だ。

『折り紙衛星の伝説 年刊日本SF傑作選』(大森望、日下三蔵編)
これは、知り合いの本ではない。表題作は、少年時代の紙飛行機の記憶と宇宙工学がオーバーラップする掌編だった。題名の元である矢野徹さんの『折紙宇宙船の伝説』は、「宇宙人は地球に来ていた」というデニケン的な話を期待して読み始めたら、艶めいた描写にどぎまぎした記憶がある。ハヤカワ文庫版の出版年を見ると、読んだのは二十歳をすぎていたことになる。前川青年はうぶだった。
収録作品は全部読んでいないけれど、どれも面白い。とりわけ、円城塔さんの『 ∅ 』がよかった。『 ∅ 』に、編集者によるものか「ファイ」とカナが振ってあったが、空集合のマークは、アンドレ・ヴェイユがノルウェイ語のアルファベットからとったもので、もともとは、ギリシア文字のΦ(ファイ)とは異なる。oのウムラウト(ö)みたいなものらしいので、「ヲ」とカナをふるのはどうか(意味不明だけれど)。