紙縒の犬(つづきの2) ― 2019/12/01 22:54
(略)
私は、祖母たちがせっかくつくったこよりの犬を、みんないろりに投げ込んだ。
祖母たちは、たった一つしか知らない芸術をふみにじられて悲しい顔をした。慶応、元治、文久、万延……もっともっと昔から教え、教わりして伝わってきたこより芸術。今日、私はなんどかその犬をつくりだしてみようと試みるが、うまくできない。百犬百態の、生きているような犬たちの姿は、祖母たちとともにもう去って帰ってこないのだ。
くらき夜の山松風は騒げども ― 2019/12/09 21:23
会費を払って報告を読むだけだが、わたしもペシャワール会の会員だ。会則5項の「会員はそれぞれ可能な範囲で、自ら創意工夫して自由なやり方で支援活動を行う」に得心していたが、これも、中村哲さんが好きだったという最澄の「一隅を照らす」の精神を反映したものか、とあらためて思った。
(日経歌壇2019/12/07 穂村弘選)
くらき夜の山松風は騒げども木末の空に星ぞのどけき 永福門院
こよりアート など ― 2019/12/18 20:13
先日来の「こよりの犬」に関する調査(?)は、犬の造形に関することはともかく、こよりに関する話がいくつか集まって、まだまだ続いている。共時性めいていたのは、妻が買ってきた『ビッグイシュー』(12/1:372号)に、「表現する人:紙のこよりで、自然のエネルギーのうねりを追う HITOTSUYAMA STUDIO」という、こよりをつかった現代アートの記事が載っていたことだ。かなりリアルな造形である。『ビッグイシュー』はまれにしか求めないので、思いがけないめぐりあいであった。
若いひとが亡くなるのはつらく、歳を重ねていても大事なひとが亡くなるのは苦しいだろう、という思いで、花代を送り、弔電を打つことが続いた、年の暮になった。
最近の『数学セミナー』は、劉慈欣さんの『三体』が売れているのに便乗(!)して、最新号で三体問題を特集するなど、なんだか攻めている。一年前の投稿コーナー『数学短歌の時間』も、思えば不思議な企画だった。選歌されなかったが、ブログに載せたところ、気にいってくれたひとがいた歌があった。
クリスマス飾りなど ― 2019/12/21 14:35
『アナと雪の女王2』を観たひとが、手紙を図のように折って飛ばすシーンがあったと教えてくれた。ファンタジーの中にでてくる折り紙は、ときに魔法的である。
年末 ― 2019/12/30 08:49
何年かぶりに、『素晴らしき哉、人生!』(1946、フランク・キャプラ監督)を、クリスマス当日に観るという、いかにもなことをした。
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