楕円2010/04/06 23:17

楕円
 「G4G」のお土産のひとつに、John Edmarkさんによる、まっすぐ転がる2枚の連結した楕円があった(写真左上)。円柱を斜めに切ったもの(右上図)と考えれば、なんの不思議もないが、じっさいに転がすと、ちょっと面白い。
 これから連想したのは、キュウリを輪切りにするときに、まっすぐにではなく、やや斜めに切ると楕円になるので、まな板から転がっていきにくい、という話である。これを初めて聞いたときは、「なるほど」だった。

 ずっと以前、『絵の描き方』のような本で、斜めに描かれた円が楕円になるという解説を見たときも目からウロコだった。斜めから見た円が楕円になる。あたりまえでしょというひとがいるかもしれない。しかし、単純に平行投影した円が楕円になる(図下中)のはともかく、それを遠近法で描いたものも楕円になる(図下右)ということは、そんなに単純な話でもない。
 幾何学の巨人・コクセターも『なにゆえに円が楕円に見えるのか』という講演をしているが、たぶん、これに関する話だろう。

コメント

_ mitani ― 2010/04/11 07:39

確かに、円を透視投影したら楕円になることは直感的にはイメージしにくいですね。
ネットで探してみたら、作図を紹介しているムービーがありました。
http://www.youtube.com/watch?v=aYi-q9axuBk

前者のまっすぐ転がる楕円は、オロイドのおもちゃの発想と似ていますね。
http://www1.ttcn.ne.jp/a-nishi/oloid/oloid.html

_ maekawa ― 2010/04/12 18:28

 関連して、ちょっと面白いことに気がつきました。
 円錐をやや斜め上から見ると、平行投影では、錐面の半分以上が見えます。いっぽう、透視投影では、錐面の見える範囲は平行投影より狭くなります。これが相殺して、斜め上から見た透視投影で、ちょうど錐面の半分が見えるところがあります。
 消失点が円錐の頂点にぴったり合う視点で、錐面のちょうど半分が見えることになります(はずです)。

_ mitani ― 2010/04/12 22:07

なるほど。なかなか面白い話ですね!
ブログのネタにさせていただきました。
http://d.hatena.ne.jp/JunMitani/20100412

_ Joker ― 2010/04/15 12:46

『絵の描き方』のような本。うろ覚えですが、中公新書「美の幾何学 天のたくらみ、人のたくらみ」で安野光雅さんが書いておられた気がします。違っていたら、すみません。

_ maekawa ― 2010/04/15 23:33

たしかに『美の幾何学』にもその話がありました。わたしが最初に読んだのは別の本だったと思いますが。

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