難民キャンプの折り紙2007/07/09 12:51

 折り紙の話題は、当然、科学啓蒙書以外にも登場する。つい先日、日本語の魅力にとりつかれた米国人青年のエッセイ集・『出世ミミズ』(アーサー・ビナード著 2006/02)に、「折り紙に触れ」と題された文があるのを見つけた。
 著者には、クロアチアの難民キャンプでボランティア活動をしたことがあるアイルランド人の友人がいる。エッセイの内容は、その友人(女性)が、日本のボランティアグループが流行らせたオリガミのために、「オリガミができなければ先生はとてもつとまらないということを、初日で思い知る」という話である。彼女にとって、遠い東洋の一国・日本の印象は、まず折り紙から始まった、というような話だ。
 題名は「折りに触れて」のダジャレである。なお、細かい言葉遊びも含めて、著者の日本語はおどろくほど達者だが、ひとつ「的を得た」という表現があった。「的を射た」か「当を得た」である。著者というより、編集者さん・校正さんの見落としだなあ。(11年後の追記 2018/1/7 「的を得る」は誤用とは言えない(誤用としていた、三省堂国語辞典』第7版に「的を得る」が載った)という話を聞いた。ビナードさん、編集者さん、ごめんなさい)

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