第30回折り紙の科学・数学・教育研究集会 ほか2021/06/15 21:44

◆第30回折り紙の科学・数学・教育研究集会
6/20(日)10:00-17:00に上記の会があります。参加費1000円のオンラインの会で、どなたでも聴講できます。詳細は下記のURLからどうぞ。

◆「折」の字
折りパケ
カルビー食品のスナックの袋に「折」の字が書いてあって、なんのことか思ったら、ゴミの体積減のために袋を折り畳もうというキャンペーンだった。
わたしは、以前から袋を畳んで結んで捨てることがほぼ習慣化している。

◆ヤマハタザオと軽量構造
ヤマハタザオ
1メートル近くの高さで亭々と立つこの草の名は、ハタザオ(ヤマハタザオ)といって、見たままの命名である。天辺にはちいさな白い花が咲いていて、旗竿の先端の「冠頭」の趣きがある。英名も、タワー・マスタード(マスタード=芥子菜)、タワー・ロックレス(ロック・クレス=岩・クレソン)と、タワーの名を持つ。この写真でも根元が画面から外れているぐらいひょろりと高い。茎の直径は2ミリぐらいの細さで、高さを約80センチとして、電信柱の直径30センチで計算すると100メートル超のスケールになる。むろん、構造力学的に比例計算にはならないが、写真のうしろに写っているアカマツに比べても高く見えて、大げさにいえば、軌道エレベーターかジャックの豆の木みたいな感じだ。

次号の『折紙探偵団マガジン』に、『Forms and Concepts for Lightweight Structures』(Koryo Miura and Sergio Pelegrino)(『軽量構造のための形状とコンセプト』三浦公亮、セルヒオ・ペルグリーノ著)の紹介記事を書いたあとに、このヤマハタザオを見て、まさに軽量構造で、バイオミメティクス(生物模倣工学)のタネになりそうだなあ、などとも考えた。

◆『三体III』の折り紙の舟
大作SFの完結編『三体III 死神永生』劉慈欣著、大森望他訳)に折り紙がでてきた。重要な展開への伏線にもなっている。

一枚の白い紙を振りながら程心に言った。「これで舟を折れる?」
「折り紙も忘れられた技術ってこと?」程心は紙を受けとって訊ねた。
「もちろん。いまどき、紙だってめったに見かけないんだから」
程心は腰を下ろして舟を折った。

西暦でいうと2300年ごろの設定だ。2200年ごろに全人類が難民化したさいの記述には、以下の比喩もあった。

正午の陽射しのもと、合板と薄い金属板でできた住宅は、真新しいと同時にいかにも壊れやすそうで、砂漠に散らばる折り紙の箱のようだった。

「折り紙」の原文は「摺紙」だと思うが、「折紙」かもしれない。わたしの『折る幾何学』の繁体版のタイトルは『摺紙幾何學』で、簡体版は、訳者の案では『折畳几何学』だったのだが、『折紙几何学』になった。「摺紙」と「折紙」なのである。「折」はbreakの意味が強いようだが、日本と同様にfoldingの意味もある。

『三体』は、大ボラ話としてのSFの王道。ディテイルをあれこれつつくのは野暮かな、と。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
スパム対策:このブログの作者は?(漢字。姓名の間に空白なし)

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://origami.asablo.jp/blog/2021/06/15/9388334/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。