『奇蹟がくれた数式』(The Man Who Knew Infinity)2016/10/25 20:42

一昨日、映画『奇蹟がくれた数式』(The Man Who Knew Infinity)を観た。これまで、フィクション中のラマヌジャン(1887- 1920 インドの数学者)は、えーっというものもあったのだけれど、これは、しみじみとよい映画だった。

ラマヌジャンが妻に「数学以外に興味はないんだ。ただし、君を除いて」みたいなことを言うのは、愛おしいし、宗教的な食事の禁忌の問題は、現代日本でも同じようなことがあるなと、はっとするところだった。

数学ミーハーとして気になっていた、タクシー数1729の使いかたは、史実とされている話とは違っていたが、小ネタ以上の扱いだった。ハーディーが1年内に2度、1729のタクシーに遭遇したことになっていたが、今よりはるかにタクシーの数は少ないだろうし、ケンブリッジはそんなに大きい街ではないので、その確率も一応計算されているとみた。

ちなみに、我が家から半径200m以内の駐車場には、ナンバー1729の車が2台確認できている。駐車場密度の見積もりをもとに、まったくのランダムなものとして計算してみると、範囲内に1729がふたつある確率は1000分の1ぐらいである。高くはないが、そんなに低くもない。

リトルウッドの法則なるものもある。映画で好感度抜群に描かれていたリトルウッド(彼も数学の殿堂入りの天才)による、以下の「法則」である。
「100万回に1回起こることを奇跡、その分母になる事象を1秒に1回起きる事と定義すれば、ひとは1ヶ月に1回ほど奇跡的な事象に遭遇する」
これはかなり高い。