折り紙講習の日々- そして、デューラーの多面体2015/08/24 23:45

土曜日は、国立天文台野辺山観測所の特別公開で、折り紙講習に明け暮れていた。
協力者のみなさま、お疲れさまでした。
折り紙電波望遠鏡

その1週間前は、第21回折紙探偵団コンベンションだった。何コマか講習をした中で、フクロウが一番たいへんだった。受講者が1回できれいに折るのは難しく、教室として成功したとは言えない。余計な折り目をつけずにきれいな曲面をつくることは、複雑な作品を折り慣れているひとでも苦戦するみたいだ。

このフクロウは、コンベンションのゲスト作家・ジャン・ディンさんの作風にちなんだモデルとして選んだ。ただし、自分の作風(明確な目安による幾何学的な構造があって、糊づけを使わない)の中にある。
フクロウ

デューラーの多面体の「新解釈」と、関連折り紙モデルの話もしたのだけれど、そのさいに、急遽『数学セミナー』最新号(9月号)の表紙連載(熊原啓作さん)のスイスの切手の話もいれた。
『数学セミナー』2015.9表紙

『数学セミナー』の編集者さんも含めて、だれも気がついていなかったようなのだが、この切手に描かれたオイラーの定理の説明のための多面体が、デューラーの多面体なのである。しかも(しかし?)、八面体ではなく、九面体なのだ。九面?! 

たしかに、対称性の高い立体であるという推定をはずせば、版画に描かれていない側に何面あるかは任意である。この着想はいままでなかった。デザインしたひとに意図を訊ねてみたい。