秋風2014/09/03 22:11

9月を待たずして秋風が吹き、その9月もすでに3日になったので、もはやずいぶん前のことのようになってしまったけれど、約4年に一度の折り紙の科学国際会議と、年に一度の折り紙探偵団コンベンション、観測所公開日の折り紙教室、そして、月末の折り紙関連の原稿2件と、折り紙漬けの夏をのりきった。

この間、エンジニアの仕事はほぼ休止状態で、外の様子、すなわち、台風と水害、戦乱と感染病、科学者の自殺のニュースも、横目で見る感じだった。ほとんどのひとは、毎日のあれこれに追われ、他人事ではないニュースも、というよりも、そのニュースが他人事と思えないときは余計に、それにたいして押し黙り、目の前のことに集中するしかなくなるようだ。

発表の参考資料を読み返すことなどを除き、ほとんど本も読まなかった。その反動か、先日書店に行ったさいに、書籍代を1万円ほどつかった。

かくいう状況でも、阪神タイガースのゲームはしっかりチェックしていた。他人がやっているゲームの内容が、毎日の生活において、なぜこれほどまでにプライオリティーが高いのか、冷静に考えると、さっぱりわからない。シーズンの帰趨を決めるようなゲームで惜敗すると(そういうことが多いのだが)気分が落ちこみ、たいへん困る。

紙コップテトラポッド2014/09/03 22:14

『数学セミナー』の連載記事のネタを考えている過程で、紙コップをつかったテトラポッドの工作を思いついた。
紙コップ・テトラポッド

(1)まず、紙コップを4つ用意する。
ここでは、市販の標準(?)の口径7.3cmのものとしている。

(2)切り込み線を描く。
紙コップ・テトラポッド工程1
切り込みは、1つのコップあたり3つである。
6等分の目印は、テンプレートを平面上に作図しておくとよい。
写真の1と1.2という数字はcm単位の長さである。(口径7.3cmのコップで)
長い切り込み線は、厳密には、円錐面上の測地線(展開図での直線)ではなく、円錐面と平面の交線だが、あまり精度を気にする必要はなく、ほぼ測地線でよい。

(3)切り込み線にそってカッターで切り取る。
紙コップ・テトラポッド工程2
紙コップ・テトラポッド工程3

(4)縁の巻き込みを伸ばす。
紙コップ・テトラポッド工程4

(5)組み合わせる。
紙コップ・テトラポッド工程5

(6)投げてもはずれないぐらいに、しっかりと組み上がる。

三島と西伊豆で2014/09/23 20:46

◆吉澤章展
吉澤章展
去る9月7日に、三島市の佐野美術館で、吉澤章展を観てきた。
どの作品も、保存状態がすばらしく、いかに丁寧に扱われてきたかが伝わるものだった。製作年度を示してくれると、さらにありがたかったのだが。

図録(上の写真)の表紙にある鶴は、カエルの基本形からのものだが、この基本形でこの生き生きとした造形というのは、吉澤さんの折りの繊細さがあってこそである。これは、どの作品もそうで、同じように折っても同じようなかたちにするのは難しい。

十二支の寅の縞や般若の角の節を折り目で表現していることにも、今回あらためて気がついた。虎の縞を、いわゆるインサイドアウト技法ではなく、段折りで表現することには、北條高史さんの作例があるが、折り目で表現するのは珍しい。これも、「余計な折り目をつけない」という注意深さがないとできない技である。

◆大瀬崎の丸石神?
三島に行ったさい、西伊豆の大瀬崎に寄った。以前訪れたのは、30年以上前で、ダイバーが集まるポイントになっていることは知らなかった。

ここで、「丸石神」を見つけた。甲斐の丸石道祖神のように、民俗宗教として定着した(していた)形態とは思えないが、石祠の中に祀られたものと、集合型に祀られた(別の施設があった土台だろうか?)ものがあった。海岸に同種の石が多いので、ごく自然な「祭祀」行動であるとも言える。
丸石神?(大瀬崎)

丸石神?2(大瀬崎)

なお、神域だったために保護されている大瀬崎のビャクシンの木は、ドイツロマン派の画家・カスパー・ダーヴィド・フリードリヒの描く樹木に似ていて、絵になる。
ビャクシン(大瀬崎)

ビャクシン(大瀬崎)

日記的に2014/09/23 20:48

アヤツジ・ユキト2007-2013
8月に、綾辻行人さんの小説以外の文章を集めた本『アヤツジ・ユキト2007-2013』が刊行された。文章の集めかたは徹底していて、2007年と2009年に綾辻さんに書いてもらった『本格折り紙』と『本格折り紙√2』の帯の文も載っている。
なお、『迷路館の殺人』新装改訂版の解説に関して、「七本指の悪魔の展開図が載っている」ともとれる脚注がつけられていたが、そこに掲載された展開図は、七本指版ではなく、通常の五本指版である。

◆9月13日:フラクタル日除け
フラクタル日除け

フラクタル日除け
大学時代の友人たちとの食事会のために、南町田に行った。東急田園都市線の南町田駅で降りるのは初めてだったが、駅前がテーマパークのような商店街になっていて、その生活感のなさが突き抜けていて面白かった。そして、ちょっと裏通りにはいった小さな公園に、「フラクタル日除け」があることを発見した。数年前にこのブログにも書いたけれど、京都大学の酒井敏さんによるもので、実物は初めて見た。そういえば、6OSME(折り紙の科学国際会議)に来ていた学生さんが、たしか酒井さんの研究室ですと言っていたような…。

スカシダワラ
スカスカの日除けということでは、今日は、散歩していて、スカシダワラ(クスサンの繭)を拾ったのだが、これはなぜスカスカなのだろう。夏に成虫になるので、湿度温度管理のためという説があるらしいが。

9月14日:まいまい姫
まいまい姫
この日は、新潟県長岡市に行ったのだが、街の中にあった「まいまい姫」の像がシュールだった。笛を吹いている少女が巨大カタツムリの上に乗っているのである。

9月15日:タヌキノチャブクロ
タヌキノチャブクロ
ホコリタケ属のタヌキノチャブクロと思われるキノコを見つけたのだが、こんなにきれいな球形のものは、これまで見たことがなかった。ピンポン玉よりわずかにちいさいぐらいの大きさである。周囲に同様のものも生えているのだが、こんなにみごとな球形ではない。それらは、タヌキノチャブクロではなく、キツネノチャブクロ(種が異なる)のようでもある。

9月19日:数学問題玉手箱他
数学問題玉手箱
この日、東京に戻ると、『数学問題玉手箱』(武藤徹、三浦基弘編)と、『Structural Packaging』Paul Jackson)の献本が届いていた。
前者は、折り紙作品が誰の作品(笠原邦彦さんのリボンユニット)かを調べるために若干協力し、後者は、6OSMEのさいに、Paul Jacksonさんとの会話で話題になったのである。

9月20日:どら焼きなど
この日は、新宿でのパズル懇話会の例会での発表と、三鷹市の三鷹ネットッワーク大学「アストロノミーパブ」の飛び入りゲストと、ふたつの集まりをハシゴした。
「アストロノミーパブ」では、天文学者の梅本智文さんが、銀河の形状の例えに「どら焼きのような」と言っていた。どら焼きと言えば、先日、どら焼きが『ウルトラQ』のカネゴンに見えたので、そんな写真を撮った。
どらやきカネゴン

9月21日:本棚
数万冊の本がある蔵書家の家に行った。妻も同道したのだが、本棚に本を二重に置かざるを得ない場合、手前の本は横積みにしたほうが、うしろの本の背表紙が見やすい、という彼女の指摘は、当たり前と言えば当たり前だが、炯眼である。

9月21日:平行六面体
平行六面体
正方形3枚組の平行六面体をつくった。
ある向き(写真左)で、写真に撮ったり片目で見たりすると、完全に立方体に見える。