『本の雑誌』5月号2014/04/21 22:27

『本の雑誌』5月号の、円城塔さんの書評連載『書籍化まで二光年』で、『折り紙のすうり』(ジョセフ・オルーク著 上原隆平訳)がとりあげられていた。

円城さんは、折り紙の数学では、作図問題より、折り畳み構造とか折り畳み可能性といった問題設定のほうが面白いよね、という感覚を持っているようだ。

というわけで、「おっ」と思ったのだけれど、円城さんはほかでも『折り紙のすうり』をとりあげていたので不意打ちではなかった。『本の雑誌』の同号では、津田淳子さんの本の装幀をあつかったエッセイが、『半世紀前の紙「レザック66」の華麗なる復活』というものだったことに不意をつかれた。

紙工芸好きの多くは、津田淳子さんいうところの「紙マニア」である。折紙者としては、レザックは66やレザック75はやや厚いので、エンボス仕様の紙なら、よほど大きいモデルを折るとき以外では、レザック66の製造元である特種東海製紙のTANTや、王子エフテックスのOKゴールデンリバーを使うけれど、レザック66といった文字を見ると、妙にテンションがあがるのだ。

特種製紙PAM内部
で、もう7年前になるけれど、レザック66の製造元・特種東海製紙(当時は特種製紙)の資料館・PAM(三島市:写真上)を訪ねたことを思い出した。ここは、紙好きがわくわくする場所である。そして、建物もめっぽうかっこいい。それもそのはず、先日、建築界のノーベル賞ことプリツカー賞を受賞した坂茂さんの設計なのである。紙管を使った建築でも有名な坂さんの設計は、紙会社の建物に相応しく、中には紙管をつかった椅子もあった。
特種製紙PAMの紙管の椅子

特種製紙PAMの天井
写真のように、PAMの吹き抜け部の天井は膜構造になっているが、これは、阪神大震災後に坂さんが建てたカトリック鷹取教会(のちにたかとり教会に改称)の天井部分(写真下)にも似ている。(同教会は2005年に台湾に移築。写真は2005年4月)

神戸カトリックたかとり教会

なお、特種東海製紙という社名は、なぜか「特殊」ではなく、「特種」なのだが、PAMの近所を散歩したさいに、「特種踏切」という不思議な名前の踏切も発見して、なんじゃこりゃと思ったことも、当時の写真を見ていて思い出した。これは、特種製紙の近くにある踏切ということであるらしい。

特種踏切

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