雪の蛇2014/03/07 00:57

雪の蛇
今日は北日本の暴風雪が心配だが、一昨日、標高1000m以上の八ヶ岳山麓は、三度目の大雪だった。その大雪が明けた昨朝、国道141号線沿いで、雪でできた蛇を見た。いままで見たことないものだ。蛇にはなっていないが、近くにあるほとんどの電信柱に線状の着雪もあった。一昨日は湿った雪で北風が強かったので、以下のような現象だったと推測される。

1. 雪混じりの強い風が円柱に吹き付けられる。

2. 円柱の後方に渦(双子渦)が生じ、それによって雪が押し付けられて付着する。すなわち、円柱の反対側で母線に沿った一直線となる着雪が生じる。(写真右の電信柱がそれで、着雪しているのは南側である)

3. 着雪した雪が、自重に絶えきれなくなり。すべり落ちる。このとき、線状の構造を保ちつつ、うねったかたちになり、雪の蛇が生まれる。上からの重さが加わるので、下のほうがうねりが大きくなりやすい。(写真左)

<追記(3/11)>
円柱の半径を0.3m、風速を15m/s、空気の動性粘率を1.4×10^-5(m^2/s)として、流体を特徴づけるレイノルズ数Reを計算してみた。すると、3×10^5ぐらいになった。これは、円柱後方に双子渦ができる値(1<Re<40)ではなく、もっと複雑な流れで、「剥離」「再付着」という現象が起きる値であった。風速15m/sというのは、この日の強風として妥当な値なので、この一直線状の着雪は、そうした複雑な流れよるものと思われる。『連続体の力学』(佐野理著)によると、野球やバレーボールにおいて変化球が生じるのも、レイノルズ数がこのオーダーになる領域でのことらしい。