G13型トラクターと12142012/11/14 00:19

G13型トラクター
本棚を整理するともなくながめていて、堀江敏幸さんのエッセイ『回送電車』シリーズの一冊目がないことに気がついた。シリーズはこれまでに五冊あるのだが、一冊目の『回送電車』は、読んだつもりで読んでいなかったのである。装幀が美しいので単行本で欲しいとも思ったが、文庫になってたのでそれを買った。
先日、ソファに寝ころがってこれを読んでいると、『三行広告について』というエッセイに「G13型トラクター」のことが書かれていた。
洋書店へ本を買いに出かけたり、大きなホテルのロビーで人を待っていたりするとき、私は読めもしない「ニューヨークタイムズ」を暇つぶしに売店で買い、雑報欄を開いて謎の三行広告を探すだろう。国際的スナイパーとの接触をはかるためでにではなく、G13型トラクターの名を慈しむために。

驚いたのは、わたしがこれを読んだまさにその日、毎日新聞にこの伝言を使った『ゴルゴ13』の広告が載っていたことだった。
なお、堀江さんはフランス語のみならず英語も達者だろうから、「読めもしない」というのはよくわからない。過剰な謙遜も似合わない。「読みもしない」のタイポだろうか。

わたしは『ゴルゴ13』のよい読者ではない(ラーメン屋さんで読むぐらい)のだが、高校に入学して家で学生証を見ていたさいの次の会話を思い出した。

「学生番号の1214って、1年B組14番ということかあ」
兄「1214か。ゴルゴ13と同じだな」

ゴルゴ13という通称の由来として、彼の囚人番号が1214だったというエピソードがあるのだという。しかし、あらためて考えてみると、1214から13という数字を読み取るのは迂遠である。旅客機の座席番号などで13番が忌み番号として欠番で「12, 14」となっていることがある。この例のように「12,14」という並びで13を連想するのは普通のことなのだろうか。
まさか、√121+√4=13という式だとか。