シュガーポットの蓋関数2012/03/18 13:53

シュガーポットの蓋関数
小金井に「ホーマー」という昭和の香りのする洋食屋さんがあり、昨日ひさしぶりに行った。メニューもレトロなのだが、内装や什器もレトロである。シュガーポットもそのひとつで、取っ手と蓋がジョイントでつながっていて、取っ手を倒すと蓋が開くという、わたしが子供のころにはよく見かけたタイプのものだ。

このポットを見ていて、次のようなパズルを考えた。
(1)蓋を垂直に開けるためには、取っ手はどこまで回転すればよいか。
(2)より一般的に、取っ手の回転角と蓋の開いた角度の関係は、どうなっているか。

じっさい開けたり閉じたりすると、次のようであった。
(1)取っ手の角度が真横になるより前に蓋が垂直に開く。
(2)最初はゆっくり、徐々に加速して開く。
(-)取っ手の回転半径は、蓋の回転半径よりやや短い。

帰宅後、詳細を検討した。幾何学的な要点は、ジョイントの長さが変わらないということである。
図右上は、取っ手の回転半径と蓋の回転半径が同じ場合である。このとき、蓋が垂直に開くのは、取っ手が真横に来たときである。ただし、このときも、両者は同じ角速度で連動するわけではない。
関数で書くと、蓋の角度をθ、取っ手の角度をφ、取っ手の回転半径をR、蓋の回転半径を1として、式はけっこうきれいに整理されて、(Rcosθ-cosφ+1)/2-Rcos(φ-θ)=0となった。R=1の場合をグラフに描くと、曲線(赤)であり、最初はゆっくり、加速して減速というかたちがわかる。 取っ手の回転半径をすこし短くした場合が、図右下と、グラフの青である。蓋が垂直に開くのがやや早くなっている。しかし、その違いはそんなに大きくはない。

十二艘舟など2012/03/18 15:18

十二艘舟など
薗部ユニットの12枚組で知られる星型の多面体をいろいろ試していた。

まずは、図左端の正方形基本形(風船の基本形の反転)6個組である。前例を見たか、前例があると指摘された記憶があるのだが、誰のものなか、見つけることができていない。誰かわかるひといませんか?

次は、1:2の長方形の6枚組みで、きれいに組めるのだが、最後のひとつをいれるのが難しい。

次は、2枚組みである。これも既にありそうな気がする。しかし、かなりいいモデルだと思われるのに普及していないので、コロンブスの卵かもしれない。ユニット折り紙は、大量のパーツの作成や色合わせが面倒になることが多いが、ふたつだと、色合わせも楽だ。

次は、伝承の二艘舟を6個組み合わせたもので「十二艘舟」と名付けた。星型多面体とXYZ座標を組み合わせたかたちになる。これもまた、既にありそうな気がするのだが、組むのが案外難しいので、見落とされていた可能性も高い。

右端は、2枚組みのものをすこし変形したものだ。

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先週は、深夜0時ぐらいまで仕事で、帰宅後早朝まで、折り紙を考えるという日が何日かあった。
やるべきことが多いほど、急ぎではないことに時間を費やしてしまう心理は、精神分析の防衛機制の概念でいえば、「逃避」よりも「補償」とみるべきだろう。しかし、心理的にはともかく、案件が溜まっているという実態はなにも補償されず、睡眠時間が短くなるだけなのであった。
また、〆切のはっきりしない案件が、そのことだけであと回しになってしまっていることを思うと、〆切って重要だなあ、とあらためて思うのであった。