折鶴四面体2011/12/05 22:08

折鶴四面体
第11回折り紙の科学・数学・教育研究集会で、世話人をつとめた。示し合わせたわけではないのに、「移動する折り目」の話が何件かあった。面が剛体(歪まない板)で、折り目が蝶番の場合などに、身動き取れなくなってしまう折り目は多い。折り目を徐々に移動することで、それを回避するのである。

それぞれの発表も興味深かったが、「移動する折り目」のひとつである『多面体を提灯風に折りたたむ』という発表をされた奈良知惠さんが、発表のマクラに使った話が、個人的にもうれしかった。

日本折紙学会のページの背景に、折鶴の敷き詰め模様が使われているが、これは、わたしのデザインである。奈良さんは、このデザインのようなp2対称の模様が四面体化できることを使って、じっさいにこの折鶴模様を四面体化したものを持ってこられたのである。

これは、鳴川肇さんによる、画期的な世界地図・オーサグラフの原理と同じものだ。なお、四面体を切り開いたかたちが平面充填形になることは「秋山の四面体タイル化定理」と呼ばれるようだ。伏見康治・満枝著『折り紙の幾何学』の冒頭にも、同様の話 - 四面体スタンプを転がすと繰り返し模様ができる- がある。

…ということを書いて、いままさにアップロードしようとしたとき、同会に参加していた三谷純さんからも、これに関する記事を書きましたというメールがあった。彼のものは鶴が二羽のパターンになっている。なるほど。