「銀杏タイルの重ね合わせ」の図を描くさいに、グレーの線の背景が黄色いか白いかで、明るさの錯視が顕著だったので、それを示す図を描いてみた(下図)。ななめのグレーの帯は、黄色地でも白地でも同じ(204/256階調)なのだが、地が白いときに濃く見える。間を黒い線で区切ると、それがより強調される。
しかし、錯視は個人差があるらしいので、そう見えにくいひともいるかもしれない。わたし自身、「折り紙的訓練」で錯視が生じなくなっている図形がある。下の図は「ザンダー錯視」というもので、左側の大きい平行四辺形の対角線のほうが、右側の小さい平行四辺形のそれよりも長く見えるはずなのであるが、わたしの折り紙脳(!?)は、この図形からすぐに二等辺三角形を見出すので、錯視がおきないのである。とりわけ、この図のように、線の角度が22.5度基準のときは、どんなに頭をからっぽにしようとしても、錯視はきわめておきにくい。
次に、錯視とはすこし違う話だが、折鶴の展開図(下図)である。赤い線のどちらが長いかすぐにわかるだろうか。一辺を1とすれば、22.5度の角度の線は約0.54、真ん中の線は約0.59で、真ん中の線のほうが長いのだが、これは、「折り紙脳」であっても判別しにくいはずである。わたしは、折鶴の展開図をみるたびに、「これってもしかして同じ長さ?」と思ったときのことを思い出す。
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