『3:4:5比の三角形』2010/12/18 20:04

『3:4:5比の三角形』
 南青山にある画廊「ときの忘れもの」で、幾何学的彫刻の第一人者・故堀内正和さんの版画を買った。刷数も多く、わたしの薄い財布の中身でも買えるのである。

 写真の『3:4:5比の三角形』がその一枚だ。いわゆる「エジプト三角形」を描いたもので、図のように、整数比を探すなどして、ながめている。

 「抽象絵画」という言葉があるが、この画に「抽象」という言葉は相応しくない。数学の抽象性は「任意の」がキーワードになると思うが、この画には、任意性を想像させるものはない。きわめて具体的で個別的なのである。そして、そのように描かれた「この図形」の個性が愛おしい。

 画廊では、思いがけないこともあった。画廊主の綿貫さんと話をするうち、氏と叔父が知り合いであることがわかったのだ。叔父は美術関係者だったのでそんなに不思議ではないが、なんとまあ、世界は「補助線」に満ちているのだろう。

 20年前に他界した叔父は、数多くの本の装丁を手がけたひとで、前川直という。『装幀列伝 - 本を設計する仕事人たち 』(臼田捷治著) という本には、「幻の装丁家」として紹介されている。

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