円柱のなかを転がるボール2010/11/27 00:11

円柱のなかを転がるボール
 先日このブログにも書いた「マーティン・ガードナーの生涯を祝う会 」が、『AERA』11月29日号で、『愉快で知的な追悼集会 手品、パズル、折り紙、そしてサイエンス』(高橋真理子さん)という記事になっている。

 記事にも触れられているが、この会で、参加者の「aha!」が大きかったのは、松浦昭洋さんの、透明な円柱を使ったパフォーマンスだった。(aha!というと、最近では、茂木健一郎さんの「aha!体験」が有名だが、やっぱり、「aha!」 いえば、ガードナーさんだ)

 さて。そのパフォーマンスとは、円柱の中でやや斜め方向にボールを転がす(すべるのではなく転がることが重要)ときの物理現象を利用したものである。これは、(たぶん)ほとんどのひとの直感に反する運動になる。図形的な認識能力の高いひとほど正解に近い答えを出しにくいといえるかもしれない。「図形的な認識能力の高いひと」と言えば、先週末に参加した「折り紙探偵団名古屋コンベンション」の懇親会のさいにも、何人かにこの現象を紹介し、「どうなるでしょう?」と訊いてみたが、正解に近い答えはほとんどなかった。
 松浦さん自身の論文は、"Strange Physical Motion of Balls in a Cylinder"(Proc. of Bridges Conference 2005)というものだが、WEBで読めるものでは、"Golfer's dilemma"(Marco Gualtieri他 2006)が参考になる。係数が√(7/2)というものになるのも不思議だ。