ハッカ豆のかたち2010/02/03 21:08

ハッカ豆のかたち
 最近、ほんとうに更新が頻繁だなあ。と思いつつ、今日は、節分にちなんで豆の話題を。
 妻が先日、北海道物産展で『北見ハッカ豆』を買ってきた。煎った大豆をハッカ味の砂糖でコーティングしたものだが、そのかたちが金平糖に似た凸凹になっている。
 金平糖がなぜあのかたちになるのかは、寺田寅彦-中谷宇吉郎-戸田盛和先生と、錚々たる大物理学者が関心を示してきた問題だが、その最新の研究として、最近、『日本物理学会誌』(2009.10)に、東北大学の早川美徳さんの『金平糖の形成のダイナミクス』というエッセイが載っていた。あのかたちは、霜の華のような拡散律速凝集(DLA)だけで解ける問題とは言いがたく、表面の薄膜流体層のふるまいがそれを解く鍵である、という話だった。

 で、このハッカ豆がどうかというと、金平糖との一番の違いは、核の大きさの違いだが、製造工程もわからないし、ツノが成長するように結晶化していく金平糖と似ているようでもあり、そうでないようでもある。写真をじっと見ていたら、その凸凹が、膜が固化する場合のたるみを起源にするものにも見えてきた。塗膜や梅干の皮のしわのようなものである。まあ、ぜんぜんわからないけれど。

 金平糖と言えば、それがポルトガル語起源であるというのはなんとなく聞いていたが、90年代以降か、洋菓子店のことをコンフェクショナリーなどとも言うようになって、ははあ、同じ語源なんだと納得したことがある。しかし、なんで「ケーキ屋さん」じゃいけないのだろうとも思う。いわゆるケーキのことも、最近は、スイーツとか、ドルチェとか、てやんでぇという気分がなくもない。わたしの父は、「洋なま」と言うが、洋なま、味のある言葉だ。