第5回折り紙の科学・数学・教育 研究集会 ― 2008/12/14 21:36
発表はどれも興味深いものだったが、個人的には、三谷純さんの一つ目の発表と川崎敏和さんの発表が、初めて聞く話だったこともあり、面白かった。
三谷さんの発表は、次のようなものである。
正方形の紙に一回だけ折り目をつけると、それは、三角形と五角形、または、四角形と四角形に分割する線になる。(向かい合う頂点と頂点を結べば三角形ふたつになるが、これは特殊な場合である)
「折る」と言っても、要は正方形を一本の線分で分割するということなので、「それは折り紙の問題なのか」というツッコミもありそうだが、これはもともと、芳賀和夫さんによる「オリガミクス」(紙を折ることによって生じる数理現象を楽しむこと)の問題として生まれたものである。これは、正方形のひとつの頂点をどこに合わせて折るか、ということにも対応している。分割される図形の種別に対応する点の分布が描く図形は、円弧を重ね合わせた面白い図形になることが、芳賀和夫さんによって示されている。
では、これを確率としてみるとどうなるのか、というのが三谷さんの着想だ。結果は、点の分布がつくる図形の面積に対応しそうにも思えるが、そうはならない。一般的に言っても、図形を確率と結びつけるのは落とし穴が多いそうで、たとえば、「ベルトランのパラドックス」なるものが有名らしい。
似たような問題で、結果の確率にπが表れる「ビュフォンの針」という問題があるが、ここでは結果に√2が表れる。√2好き(ってなんだそれ)としてもうれしい結果なのであった。
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