丸石神その15ー『神に頼って走れ』2008/03/31 20:01

この街道には丸い石で作られた道祖神がそこかしこにある。
 『神に頼って走れ!―自転車爆走日本南下旅日記』(高野秀行著)に、丸石神がでてきた。上記の「この街道」というのは、山梨県身延あたりの話である。なにせ『神に頼って走れ』なるエッセイなので、ほかにも神仏が登場するが、浜松近辺の「地の神」という石の神様が気になった。まったく知らなかった民俗信仰なのだが、地元のひとによると「この辺の家にはどこにでもある」らしい。
 この本は、『怪魚ウモッカ格闘記―インドへの道』への続編で、辺境探検作家・高野さんが、謎の生物ウモッカ探索に関する、「ある」願をかけながら自転車旅行をした記録である。
 わたしも二十代に自転車で日本中を旅していたので、共感たっぷりに読んだ。当時のわたしは、泊まりはほとんど野宿で、なにかを巡るという目的もなく、旅の大半では学生というモラトリアム(猶予期間)の身分もなかった。気分としては、「家はなく、誰にも知られず、転がる石みたいな」(ボブ・ディラン)である。心機一転と称して、当時の日記を廃棄してしまったのは、いま考えると、ちょっと惜しい。

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