『折り紙のヘラジカ』2008/03/24 22:48

 小松英夫さんのブログ『fold/unfold』経由、『本は好きだけど読書は嫌いな咎人の記録』で、『道化の町』(ジェームス・パウエル著  森英俊編、白須清美他訳)に、『折り紙のヘラジカ』(白須清美訳)なる短編があることを知って、読んだ。
 夜明けまでに生き残ったひとりに遺産を与えるというとんでもない遺言のもと、屋敷に集まった5人の相続人。合わせて呼ばれた、カナダ騎馬警察・メイナード・ブロック巡査部長代理は、5人を一カ所に集め、場を持たせるために折り紙を始める。「一ドル札で人が殺せると知っていますか?」と言って、ドル紙幣を折り、「これが折り紙のヘラジカです。一撃で人間の喉を切り裂くことができます」と自慢する。なんじゃそりゃ。なお、ブロック巡査部長代理の世界では、折り紙はエスキモー伝統のワザである。
 そして、その夜、ブロック巡査部長代理は、不意を襲われドアにホッチキス留め(!)にされたまま、「パパが殺されている」「そばに血まみれの一ドル札が落ちてたの!」という声を聞くことになるのであった…。
 この著者の作品は初読だったが、日本の作家でいうと 霞流一さんなどの、いわゆるバカミス(バカバカしいミステリ:ほめ言葉)だ。読者によっては、呆れるだけということになる小説だろうが、わたしは嫌いじゃない。なお、『折り紙のヘラジカ(The Origami Moose)』の初出は1986年とのこと。

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