謎の円筒道祖神2007/12/31 11:39

八坂小松尾の円筒道祖神
 一般に、道祖神は、文字碑、単体(人物)、双体(人物)、祠、丸石のいずれかである。しかし、一昨日、丸石とともに見てきたものに、じつに変わったものがあった。大町市八坂(旧八坂村)の小松尾集落、地滑り危険指定のために全戸が引っ越した地域のものである。
 その道祖神は、筋のはいった円柱なのである。これはいったいなんなのか。陽物(男根)なのか、それとも須弥山(世界の中心にそびえる山)か。見たときはこれだというアイデアが浮ばなかったが、昨朝ひとつひらめいた。ポイントは、刻まれた筋の数である。筋の数は八で、円盤の数は九になる。これは九輪、つまり、五重の塔などの上に乗る相輪の宝輪部分ではないか。これを乗せた塔があったとすれば巨大なものになるが、相輪橖(そうりんとう)と称して、相輪の部分だけの建造物もあるらしい。たぶん、間違いないだろう。ただ、なぜ道祖神(道祖神として信仰されていた(る)のは間違いない)がそのかたちなのか、類例が他にあるのかなど、謎は残る。

体心立方格子折り紙2007/12/31 11:44

体心立方格子折り紙
 ひさしぶりに折り紙の新作も考えた。1:√2の長方形と、結晶学でいう体心立方格子の構造をつかったモデルは、ここ最近ずっといじっていて、もうタネ切れかとも思っていたのだが、きれいなものができた。名付けて、「立方体の骨組みの中の八面体」(写真左)。「名付けて」とか言ったわりに、説明的で舌足らずな名前である。二枚組みで、きわめて無駄のないかたちだが、案外「にらみ折り」(完成を見ただけで折ってみること)は難しいと思う。
 もうひとつ、以前つくった体心立方格子のパターンを結晶化したものを、繰り返し数を増やしてあらためて折ってみた(写真右)。きっちりした感じがここちよい。縁は、構造の特徴がわかり易いように角柱状にしてみた。