丸石神その11−信濃の丸石2007/12/31 11:28

信濃の丸石神
 丸石道祖神は甲斐地方特有とされる。じっさい、たとえば、山梨県に隣接する長野県南牧村には、丸石道祖神は見当たらなかった。しかし、数は少ないが、信濃にも丸石神はあった。石そのものがご神体になっているのではなく、「お供え物系」であったが、たしかに民俗信仰の意味を持った丸石である。一昨日、それら数点を確認してきたので、このブログを読んでいる一部の丸石好き(いるのか?)に報告しよう。
 場所は、双体道祖神の本場、長野県北部の大町市八坂(旧八坂村)と生坂村である。まずは、旧八坂村在住の布施知子さんの家の近く、塩の貝集落のはずれの聞神社(神社と言っても石塔だけである)の前にひとつゴロンとしていた(写真上)。そして、これも布施さんの家の近く、その名も石畳集落の双体道祖神の前にひとつである(写真左下)。さらに、八坂の隣りの生坂村日岐の双体道祖神の前(写真右下)。これは、丸石ゴロゴロで、甲斐の「お供え系」の丸石道祖神をほうふつとさせる風景だった。
 前者ふたつは布施さんの情報、最後のものは、Kokoton Wonder Family 安曇野でのんびりというページの情報によるものである。探せばもっとあるだろう。
 これらは、なにより甲斐地方以外の丸石という点で興味深く、丸石神の歴史解明(?)についてもヒントになるものだが、石自体も特徴的だった。
 まず、石畳集落の丸石は加工されたもののようで、墓地も近いので、五輪塔の水輪の可能性も高い。一方、聞神社と生坂村日岐の道祖神の丸石は自然石で、地質学的にも面白い。右上の写真のようにタマネギ状の節理がみられるのだ。八坂は、砂岩の褶曲地層が露頭する犀川擾乱帯なる地域にあり、こうした石が多いらしい。たしかに、丸い石が「生み出される」ような地層も観察できる。そのこととも関係するのだろう、犀川の支流・金熊川に沿った石原(!)という集落には、子を生む岩の民話も伝承されている。
 なお、生坂村日岐の道祖神は、藁細工も凝っている。写真ではわかりにくいが、中央の筒は酒樽を模したもので、房総や近江の「道切り」(一種の結界。これも面白いものが多いんだよなあ)の藁細工を連想させる。
 以上、暮れの押し詰まったこの時期に、丸石を求めて歩いているわたしなのであった。

謎の円筒道祖神2007/12/31 11:39

八坂小松尾の円筒道祖神
 一般に、道祖神は、文字碑、単体(人物)、双体(人物)、祠、丸石のいずれかである。しかし、一昨日、丸石とともに見てきたものに、じつに変わったものがあった。大町市八坂(旧八坂村)の小松尾集落、地滑り危険指定のために全戸が引っ越した地域のものである。
 その道祖神は、筋のはいった円柱なのである。これはいったいなんなのか。陽物(男根)なのか、それとも須弥山(世界の中心にそびえる山)か。見たときはこれだというアイデアが浮ばなかったが、昨朝ひとつひらめいた。ポイントは、刻まれた筋の数である。筋の数は八で、円盤の数は九になる。これは九輪、つまり、五重の塔などの上に乗る相輪の宝輪部分ではないか。これを乗せた塔があったとすれば巨大なものになるが、相輪橖(そうりんとう)と称して、相輪の部分だけの建造物もあるらしい。たぶん、間違いないだろう。ただ、なぜ道祖神(道祖神として信仰されていた(る)のは間違いない)がそのかたちなのか、類例が他にあるのかなど、謎は残る。

体心立方格子折り紙2007/12/31 11:44

体心立方格子折り紙
 ひさしぶりに折り紙の新作も考えた。1:√2の長方形と、結晶学でいう体心立方格子の構造をつかったモデルは、ここ最近ずっといじっていて、もうタネ切れかとも思っていたのだが、きれいなものができた。名付けて、「立方体の骨組みの中の八面体」(写真左)。「名付けて」とか言ったわりに、説明的で舌足らずな名前である。二枚組みで、きわめて無駄のないかたちだが、案外「にらみ折り」(完成を見ただけで折ってみること)は難しいと思う。
 もうひとつ、以前つくった体心立方格子のパターンを結晶化したものを、繰り返し数を増やしてあらためて折ってみた(写真右)。きっちりした感じがここちよい。縁は、構造の特徴がわかり易いように角柱状にしてみた。