カーボンナノチューブとフラーレン2007/09/26 00:59

 ノーベル賞の発表も近い。今年の化学賞の候補には、カーボンナノチューブ(炭素による六角の網目シート‐五角や七角もたまにある‐が管状になった物質)を発見した飯島澄男さんの名前があがっているらしい。
 15年ぐらい前、発見直後の飯島さんによる、竹カゴの構造とカーボンナノチューブの類比という発表を聴いたことがある。国際シンメトリー学会という「かたち好き」の集まりにおいてで、わたしは折り紙研究家としての参加だった。
 折り紙とカーボンナノチューブは、日本物理学会誌の8月号表紙でも不思議な接近(?)を見せている。(永田紀子さんの情報) カーボンナノチューブを使ったシートよる折鶴である。(斉藤毅さん他の論文) シート素材ができると折鶴を折ってみたくなってしまうのは、日本人の性なのかもしれない。

 カーボンナノチューブとノーベル賞と言えば、ナノチューブの「親戚」であるフラーレンの発見でノーベル賞を受賞することになったクロトーさんの講演も聴いたことがある。そのときは、フラーレンの代表・C60を表す32面体の折り紙モデルをプレゼントし、お返しに、C60発見時のスペクトル線の図をいただいた。「C60(?)」と、?つきなのが、いかにも一次資料のコピーという感じで生々しいが、「玄人」(クロトー)の印鑑も面白い。
 ただ、いまこの折り紙モデルを見ると、結合構造的には、32面体の稜線をモジュール化したほうがよりよかったと思う。モデル自体は好きなのだが。

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